恋や結婚がうまくいかなくて本気で悩んでいるなら、来るべき場所は「占い」ではない。

私は、占いに関する仕事をしている。

メインターゲットは、30~40代の恋愛や結婚に悩む女性だ。

 

正直なところ、私はお客様である占いユーザーに同情している。

30や40にもなって、「まだ結婚のチャンスはある?」「運命の人の外見は?」「あの人の本音が知りたい…」「彼は私に脈がある?」ということを本気で占いに頼るような人たちを、かわいそうだなと思っている。

 

そして、「きっとこの結果を見たところで、この人は救われないんだろう」と思うと、作り手としてもテンションが下がる。

 

この業界に入った理由が、「悩んでいる女性を救いたい!」というものだったからこそ、どんどんモチベーションが保てなくなってきている。

 

占いの種類や形式、占い師にもよるだろうが、

でもやはり、ほとんどの人にとって占いは解決策にならない。

 

恋や結婚がうまくいかなくて本気で悩んでいるなら、来るべき場所は「占い」ではない。

 

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私は占いが好きだし、占い業界に入ってなおさら占いを信じるようになった。

ここぞというときに占いに頼りたくなる心理もわかる。

 

けれどお客様たちが、特に占い重課金勢の皆さまが求めているのはもはや占いじゃないのだ。

 

大切なのは、自分が欲しい言葉をくれることであり、癒しであり、慰め。

会社に指導されるのは、決して厳しい言葉を使わないこと。ネガティブな結果もなるべくポジティブに変換すること。ユーザーを傷つけないこと。

 

「あの人の気持ち」なんて、実際のあの人はユーザーの顔も覚えていないかもしれないのに、占いでは「実はいつもあなたを気にしている」「遊びに誘いたいと思っている」なんて結果ばかり書く。「いつもそっけない態度なのは、あなたを異性として意識しすぎて照れているからですよ」とかなんとか、できるかぎり耳障りの良いものを用意する。

 

ただ、あまりに現実味がないものもダメだし、甘い言葉だけでもいけない。多少はアドバイスも必要だが、「超奥手なユーザーができそうなもの」でなければならない。

 

会議で「これはユーザーが傷つきそう」「このアドバイスは強すぎ」なんて言葉が出るたび、内心(そんなんだから恋がうまくいかねーんだよ)と思っている。生身の人間とパートナーシップを築くことは、そう甘いものじゃない。

 

 

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「自分は癒しや慰めを求めて占いをしている」と、すべてのユーザーが理解しているならいいだろう。本当にそうなのであれば、癒しや慰めに振り切ったコンテンツ作成に情熱を捧げられる。ここで心を癒して、また前に進めるように、私は全力で寄り添いたい。

 

けれど、実際はそうではない。

多くは自分が「癒し」や「慰め」を求めているとは思っていない。あくまで「答え」が知りたいと、課金している。その答えがあっているかどうかは、自分が決めるくせに。

 

 

ユーザーが欲しい言葉だけを並べれば、一向にそのユーザーの人生が好転することはないだろう。「そのうちあの人からアプローチがくる」「実はあの人もあなたのことを想っている」なんて、書くのは簡単だ。読むのは簡単だ。その瞬間だけは、確かに癒されるかもしれない。

 

だけど

 

なんで恋がうまくいかないの?という疑問に、傷ついた心に、

「それは運命の人がまだ現れていないからですよ」なんて。

なんて、無責任なことを、私は書いているのだろう。

 

 

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それでも、少しでも占いをする女性たちの支えになれないかと、偶然に見た鑑定結果で少しでも人生を好転させてあげられないかと、恋愛に関する記事や本を読み始めたのが最近のことである。

 

下記の記事をきっかけに「ぱぷりこさん」を知り、芋づる形式に「トイアンナさん」「川崎貴子さん」「二村ヒトシさん」など、恋愛に関する興味深い考察をしている人たちの存在を知った。

 

 

papuriko.hatenablog.com

 

読めば読むほどに、知れば知るほどに、やはり私が占い業界にいるかぎりできることは少ないんだろうなと思う。

 

ユーザーを苦しめる「恋愛障害」は、占いでは乗り越えられない。

恋愛障害 どうして「普通」に愛されないのか? (光文社新書)
 

 

 

 

仕事のため、と読み始めた本やブログだったが、

結果として「占いの非力さ」……いや、「占いの危なさ」を強く強く感じさせられてしまった。

 

占いには占いの魅力がある。

けれど巷にあふれる商品としての占いは、アラサーアラフォー女性の消費している占いは、ほとんどが使用方法を間違っているのではないかと思う。そして企業側は、「そうでないと売れないから」と、間違った使用方法のまま売りつけている。

 

そんな商品をつくり続けることに、疑問を感じている。

自分のつくった占いで、いったい何人が救われるのだろうか。何人が、間違った道を選んでしまうのだろうか。何人が、時間を金を人生を浪費してしまうのだろうか。

 

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最近、そんなことばかりを考えてしまって、正直仕事が手につかない。

 

自分の頭を整理するために、今後のキャリアを考えるために、

ついでに自分の恋愛についても考えるために。

 

これからこのブログを使用していきたい。